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KOYU筆ペン教室--美しい文字を書くお手伝い--ゆっくり流れるひと時をお楽しみください

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横山大観展・・・

 行ってまいりました!<横山大観展>へ。
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 さすがに平日だというのに多数の人出です。
 横山大観の絵を「霊峰富士」だと思っていた私は、大きな思い違いをしていたことにまず気がつきました。これほど観ていて楽しい絵だなんて・・・。もちろん、「夜桜」もすばらしかったけれども、「村童観猿翁」、「五柳先生」、「寒山拾得」、「柿紅葉」、「老子」のような人物画は観ていてワクワクしてしまいます。私大丈夫かしらなんて思っていると、イヤホーンから流れる解説の中にも、自由に大らかな描きぶりなどと流れてきますので、ほっと一安心。
 細部にわたる綿密な写生に基づいた日本画とは見せる物、見せる事が全く違っているなあ・・・これが<横山大観>の世界なのだと。
 西洋美術と日本画のぶつかり合いを波で表現した「或る日の太平洋」は、同じテーマで習作が五幅あり、興味深いものでした。
 <生々流転>がどのように展示されているかしらと思っていたら、前面の壁面に前半の複製を、そして後半の部分がその下に展示されています。墨の色がこんなにも表現できるものか、(ホントはもっと明るいとよくわかるのでしょうけれど・・・重要文化財ですものね)
 複製の方の、断崖は大胆な線もありますが、落ち着いた丁寧な筆遣いという印象です。山形に描かれる小さな波は決して大きく形を変えていくわけではないのに、穏やかな海に小さなさざ波が立ち、徐々に大きくなるその様がわかるのです。ゾクゾクっとしてしまいました。最後の龍はどのように描かれているのだろう・・・。

 実際に目の前にある作品がもたらすものは描かれているものではなくて、それぞれの世界だったなあと思いながら、帰りの車を走らせました。
by sumi-moji | 2006-08-23 21:16 | 書展・展覧会めぐり