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三くだり半(みくだりはん)

 今週はもう土曜日。
 あまりの忙しさに、「三くだり半」を突きつけられたという訳ではありません。

 この「三くだり半」。皆さんがご承知のとおり、江戸時代の離縁状のことです。
 夫が自筆で三行半に書いて妻に渡したのでこう呼ばれたもので、内容は2つの項目です。
 1つ目は  離婚するという事実         (なるほど・・・)
 2つ目は  再婚の自由を認めるということ  (え~、そうなの・・・)
 
 つまり、夫が妻へ渡す"再婚承諾書"の性質をもったものだったということなのです。

 「三くだり半」がドラマに登場する時には、そういうふうに描かれていますか?私だけが知らなかったのだろうか・・・

 そのために、この離縁状なしに再婚すると、二重婚として厳罰に処せられたそうです。
 その離縁状の文面には
    <我等勝手につき離縁士候>  これは再婚の妨げにならないように漠然と書かれもの。
    夫からだけではなくて、妻の希望を入れて
    <其元(そこもと)望ニ付いとま差遣候> 
    夫から妻へ渡される金銭が書かれているものや、生活保障をする旨が書かれているものがあるそうです。添付された請取証文も見つかっていて、
     <手ま金として金壱両弐分>と。
 この"手ま金"ということばは"労賃"という意味があるそうで、結婚を労働力の確保として意識していたことがうかがえる・・・と、いうことは、"主婦の労働を賃金に換算すること"が江戸時代に行なわれていたということでしょうか。
 戦前の「民法」では女性の相続権・財産権が認められていなかったけれども、江戸時代では、娘が遺言状や形見分けとして土地やお金をもらったという文書も残っているそうです。
 離婚率にしても、こういう点では江戸時代のほうが、現代に近かった!

 この話は、私が今読んでいる 「古文書からのメッセージ」 に書かれているもの。筆で書かれた文字の中に、それも読みづらい崩した字の中に、その当時の人々の生活が息づいているのですよね・・・
                          (資料:古文書からのメッセージ/森 安彦/三省堂)   
 
by sumi-moji | 2005-06-12 01:33 | 季節のひとり言