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KOYU筆ペン教室--美しい文字を書くお手伝い--ゆっくり流れるひと時をお楽しみください

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④書体の成り立ちのお話(1)

  篆書 (テンショ)

 先日の漢文の勉強会で、講師の先生が「"隷書(レイショ)"と"八分(ハップン)"は違います。隷書には波磔(ハタク)がありますなどと言うのは間違いです。」とおっしゃいました。
 そうそう、前にそのような話を伺った事がありましたが、実際、自分が説明する時には、隷書には波磔を書いて説明している事を思い出して、慌ててしまいました。この時期になると、年賀状にレイアウトする「干支」のの文字についてよく聞かれます。
 書体の成り立ちは、私の不勉強さも手伝って、どうも理解できないところがあり、特に、大篆と小篆と隷書の違いを曖昧にしていました。
 しかし、書体の成り立ちは向き合って見ると、時代を諸に反映していること、その時代の宗教観ととても密接な事など、おもしろいものです。少しずつ、お話を聞いてください。
④書体の成り立ちのお話(1)_b0019759_1125495.jpg

 「秦の始皇帝が李斯(リシ)に命じて、文字の統一を
はかった。」という話は有名ですが、その時の
文字が左の写真です。
 赤丸をつけた部分が下の写真の文字とは
ずいぶんと違っているように思います。
 それまでの大篆(ダイテン)に対して、
小篆(ショウテン)と呼ばれ、
時代により秦篆漢篆にわけられます。
(秦:前221~前205ころ)


④書体の成り立ちのお話(1)_b0019759_1111498.jpg
 それでは、大篆はどの様なものかというと、
右の写真の文字で、これはなるほど、象形
文字
に近いなあと、違いがわかります。
(周:前1100~前220ころ)
by sumi-moji | 2004-12-18 11:40 | ◇書◇の豆知識