KOYU筆ペン教室--美しい文字を書くお手伝い--ゆっくり流れるひと時をお楽しみください

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前略 ごめんください・・・

 最近、手書き文字が見直されて「おしゃれな葉書き」を見かけるとうれしくなります。
 "文字"の練習が実際の生活に関わることで、その練習した"文字"が始めて生きてくると思っているからです。
 でも、この所、とても気になることがあるのです。

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 この葉書き、「前略」という言葉から始まっております。
 「前略」・・・「前文」を略す という意味だということを、当然だ!とうなずいていらっしゃる方。そう、うなずいてくださる方が多いと安心なのですが、案外、「前略」という意味が曖昧になっているなあと感じるのです。
 それでは、「前文」とは、

 ①「頭語」から始まります。
             "前略"は「頭語」と呼ばれるもの。("草々"を「結語」と呼びます)
        
 ②時候の挨拶   今の季節なら  "入梅の候"
                "雨にぬれて紫陽花が美しく咲いています”
                                      などなど
 ③安否の確認      "皆さまお変わりなくお過ごしのこととと思います。
                        私どもも元気に暮らしております。
"

 これら「前文」を 略す のが 「前略」という意味!なのですよね。

 ということは、上の葉書きのように、「前略」の次には、"季節の挨拶のことば"も入れないし、"お元気でしょうか"という言葉も入れないというのが、元もとの使い方ということ。
  
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 この葉書きを見ていただくと、違いがわかっていただけると思います・・・
 堂々と、先頭に「前略」を付けちゃって・・・こういう時には、「前略」を書かなければよいのですよね。書かなくても素敵な葉書きですもの。
「前略」のあとに"季節の挨拶"が入ると、特に"向暑の候"なんて素敵な言葉が入ると、ハガキ文がしゃっきっとするのですよね。気持ちはとてもよくわかるのです、私。
 よくご存知の方がそれでも、「いいではありませんか」とおっしゃって「前略 入梅の候・・・」とお書きになることに、とやかく申そうとは思いません。時代だからと言われればそれまでです。
 しかし、「字」を生業とする者は、是非是非、知らないという方には意味をお話して、「"前略 ごめんください。"というのですよ」 とお話していただきたいし、私もそうしましょう と思っております。皆さんはどうお考えでしょうか・・・・。

 追伸: 「前略」が前文の"時候の挨拶"と"安否の確認"を書かないとなると、
      「前略 お元気でお過ごしでしょうか。」も間違いということになります。
      昭和初期生まれの母は、「"時候の挨拶"はおかしいけれど、
      これは有です」と申します・・・。(う~ん)
              (わかりやすい本でしたのでご紹介を・・・
                        そのまま使える!お礼の手紙・はがき・カード/
                                   主婦の友社編)
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by sumi-moji | 2005-06-19 09:48 | ◇書◇の豆知識